バルコニーで飲んで食べて寝る!「ずっと、楽しめる家」気持ちの良い晴れた日のバルコニーで、家族や仲間がバーベキュー、というのはわりとよく見る光景です。 ところがこの家、たまにではなく、バルコニーが生活の中心と言っても過言ではありません。 夏の暑い日にはビニール製のプールを引っ張り出し、水着に着替えて涼を満喫。 寒い冬にはコタツを持ち出して鍋を囲む。星空のきれいな夜にはテントを張って、家族3人で寝ることも...。

土地選び/眺望のいいところに住みたいな

イエヒト: そもそも西野さんは住まい選びのポイントをどこに置いていたんですか?

西野さん: 滑川市の中心部にあるアパートに住んでいて、そろそろマイホームがほしいと考えはじめた頃、近所に広くて穏やかな傾斜地が造成され始めたんです。次第に住宅が建っていくのを見ながら通勤するうちに、「どうせなら、こんな眺望のいい場所に住みたい」と思うようになって。そうこうするうち、駅から5分ぐらいの場所に、僕にとって絶好の土地が見つかったんです。

イエヒト: それがこの土地なんですね。

西野さん: 日中は遠くに有磯海が見えますし、夜は富山市の夜景も堪能できる。こんないい場所はないぞ!と思ったんですよ。だけど建築家の亀田さんが...。

イエヒト: たいそう不安に思っておられたようですね。確かに眺望は申し分ないけれど、400坪の敷地面積、しかも道路面より土地は下がっていて、造成費用が馬鹿にならない。それに、冬の除雪のことも考えなければということで。その話を聞いて、西野さんはどうされました?

西野さん: 僕自身は「もうこの土地しかない」と思ってましたから、必要な分だけ造成して、あとはビオトープでも作りましょうって伝えたんです(笑)。妻も「除雪なら主人がやりますから」って。

イエヒト: ずいぶん吞気ですね。でもそこまでおっしゃるんだったら、後は何とかするのが建築家の力量、亀田さんも大変だったでしょうね(笑)。

バルコニーからの風景

ずっと楽しめる家

西野さん: 僕が亀田さんにお願いした最も大きな要望は、眺めがよくてくつろげるリビングを作ってくださいということ。それから家事をしながら家族の気配を感じられるLDKや、風通しの良い、クーラーのいらない家にしてほしいということも合わせてお願いしました。亀田さんには苦労をかけたと思います。

イエヒト: そこで出てきたのが、LDKを2階に設えるというプランですね。

西野さん: そうです。何度か練り直してもらってでき上がったラフプランには、要望になかったリビング続きの大きなバルコニーがあって、これが特に気に入ったんです。亀田さんには、よくぞこちらの多大な要望やイメージを的確に捉えていただいた、というのが率直な気持ちです。築後6年以上経ちますが、どんどん住みやすくなってきました。現在進行形で、楽しみながら住んでいますよ。

室内

住宅会社も参加した見積り比較で、驚きの結果

イエヒト: ところで西野さんは、当初から分離発注で家を建てたいとお考えだったそうですね。

西野さん: 自分たちも壁塗りなど家づくりに参加したい、と思っていたこともありますが、価格が透明で、職人さん達と直に接することができる点に大きな魅力を感じたからなんです。亀田さんとは以前から知り合いで、彼の人柄から信頼できる人だと信じていたので、安心して家づくりを任せることができました。でもその前に、一括発注工事との比較検証の意味も込めて住宅会社や工務店にも見積りを依頼し、同時進行で分離発注の各専門工事業者に見積りを依頼してみたんです。

イエヒト: 結果はずいぶん異なる金額が出てきたそうですね。

西野さん: はい。ホームメーカーとは700万近く、工務店とも250万円以上分離発注の方が安く上がりました。しかも、工務店、建設会社とも大幅に値引きした金額ですからね。この結果を見てしまっては、もう分離発注で家づくりをスタートするしかありませんでしたね。

新築工事見積もり金額比較表
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リビングと連続したバルコニーにぞっこん惚れた!

イエヒト: この大きなバルコニーは西向きに貼り出していますね。西日を遮るために、屋根を西側前面まで出すようにしたことが、結果として夏は影となり涼しく、冬は雪を防ぎ、1年を通して雨の日でも使用できるバルコニーになったと聞いています。偶然の産物らしきところもありますけど、西野さんにとっては最高の形になったのではありませんか?

西野さん: 本当に楽しく暮らしてます。それも年を重ねるごとに、だんだん住みやすくなってきています。夏は冷房を使いたくない、というのが要望でした。バルコニーの扉を全開にすれば風が通り抜けて涼しいので、今年の夏も一度も冷房を使いませんでしたよ。

イエヒト: これだけ気持ちいいバルコニー、お客さんもさぞかし多いでしょう。

西野さん: 夏のシーズンには、週に1回のペースでバーベキューしてますね。外庭でのバーベキューよりも、2階バルコニーでやる方がご近所には好評です。何だか回を重ねるごとに参加者が増えているような気がするんです(笑)。活発な妻とは違って、僕はあまり人付き合いが得意ではなかったんですが、この家に住んでから付き合いがとっても増えて、うれしいやら悲しいやら。
でも、大きなバルコニーがあることで、結果的に、近所のコミュニティが形作られているとしたら、ちょっぴり地域に貢献できているような気にもなってきますね。

バルコニー、家族団欒設計管理 建築設計室21 亀田総吉郎 (富山県入善町)